コンサート情報

  • 2018.08.09 Thursday
  • 00:05
(コンサート終了までトップにきます。)


William Byrd and Japan
〜中村恵美CD発売記念コンサート〜

2018年9月2日(日) 14時開演(13時30分開場)

銕仙会能楽研修所

プログラム
涙のパヴァーヌ、鐘、戦い 他

出演
中村恵美(チェンバロ)
一噌幸弘(能管、田楽笛 他)
望月太喜之丞(邦楽打楽器)

一般4,500円 ベンチ席5,000円

カンフェティチケットセンター
0120-240-540(平日10時〜18時)





感想

  • 2018.08.09 Thursday
  • 00:00
先日、ネットでバードのCD情報を探していたところ、感想を書いてくださっているブログにたどり着きました。
私が説明しきっていない部分までしっかり汲み取ってくださっていて、とても嬉しくなってしまったので、こちらでも紹介させていただきます。
これを読むと、思わずCDを買って、コンサートに行きたくなってしまいますよ^_^



クラシックのCDを聴いて声を上げて笑ったのは、久しぶりのような気がします。しかも内容は冗談音楽でも何でもない。れっきとした古楽ど真ん中のディスク、やっている人たちも至って大真面目。だけれど、というか、だからこそ楽しくて笑いがこみ上げてきてしまう

それは、チェンバロ奏者中村恵美の新盤、「ウィリアム・バード&ジャパン」の中に収められた「戦い」でした。

チェンバロのみによる「兵士たちの招集」に続き、2曲目「歩兵の行進」で事件は起こります。チェンバロの和音に乗って、ものすごい音圧で吹かれた田楽笛の音が鳴り響くと、右チャンネルからは肚の底から振り絞ったような「イヨ〜〜」「ホッ!」という掛け声が聴こえてくるのです!ある時は、ひく〜い音からひねり出すように、またある時は、短く鋭く、そして絶妙のタイミングで声が発せられます。笛の音の方は、まったく違和感がないのですが、掛け声の突拍子のなさと、曲との意外なまでのマッチぶりに、思わず笑ってしまったのです。

後続の曲すべてが、そんな感じで進んでいきます。チェンバロが400年前のイギリスの音楽を鳴らしている横で、ピーヒャラピーヒャラ、ポンッ、「イヨ〜」、ポンッ、「ホッ」が絶えず鳴り響く。特に、太鼓や鼓と掛け声のタイミングのあまりの絶妙さに仰け反ってしまう。その名もずばり「横笛と太鼓」という曲が凄い。チェンバロが、目まぐるしく音程が上下する早いパッセージを弾く脇で、笛の音と、鼓、掛け声が、互いにジャブの応酬を繰り広げる。最後の「退却」の自由なテンポ感の中での絶妙のアンサンブルなど、そのありようはほとんどモダンジャズに近い。スリリングでクールなインプロヴィゼーションになっていて(実際に即興で演奏されているらしい!)、息を呑むばかりです。まさにコンチェルタンテ、あるいは、ジャム・セッションというべきか。

面白い。とにかく面白い。そして素晴らしい。何べんも繰り返して聴きたくなる、やみつきになる音楽。

バードの「戦い」はチェンバロの独奏曲ですが、当盤では、能管と田楽笛を吹く一噌幸弘と、邦楽打楽器を叩く望月太喜之丞との共演で演奏されています。ライナーの中村自身の解説によれば、もともとの曲に笛や太鼓を模した音型があって編曲しやすいことと、16〜17世紀を生きたイギリスの作曲家バードの音楽にある「なつかしさ」が日本の伝統音楽と共通するように感じられることから、このコラボを実現させたとのこと。

私の場合は、これら邦楽の響きには馴染んでいないので、正直「懐かしい」という感覚はありません。バロックと邦楽の組み合わせを聴くのは初めてではありませんが、こんなの今まで聴いたことがないという驚きの方が先に立ってしまいます。ただ、確かに、中村が書いている通り、バードの音楽の中に日本古来の音楽と響き合うものがあるようには思いました。

それは、「雑音」を許容する音楽であるということです。雑音と言っても悪い意味ではありません。前述のように、原曲自身が、ラッパや笛、太鼓の音を意識して書かれた音楽であり、楽器や声以外の雑音が音楽の中に入り込んでいるのです。一方で、邦楽、邦楽器は、雑音を積極的に音楽にしてしまうもの。古来、声にも雑音がある方が美しいとみなされてきた。狭くて木造の建物の中では、響きが良すぎるとうるさくなるので、雑音を適宜織り交ぜることによってそれを抑えるのが良いとされている。まさに今読んでいる本の中で、そんな記述を見ました。

そんなふうに雑音が織り込まれた音楽の中で、雑音を生かした邦楽器が縦横無尽に大活躍している。バードが和楽器のために書いたのかと錯覚しそうになるくらいに愉しい笛の縦横無尽の躍動。次はどう来るのかとワクワクしてしまう鼓と掛け声。その声はたしかに「美しい」。それにあと1マイクロ秒ずれても台無しになりそうなくらいにぴったりの間。聴き手の私以上に、チェンバロを弾いている中村自身がこのセッションを楽しんでいるのではないかというくらいに、中村の演奏も生き生きしている。

こんなにユーモラスで、悲惨さなど皆無の「戦争」。私たちが生きる21世紀に、こんなものが現実にあってたまるものかとは思います。でも、その反面、妄 想してしまいます。戦場に、このユーモアあふれる音楽がどこかから流れてくる。すると、武装した兵士たちがばかばかしくなって戦意喪失し、皆兵器を捨てて踊りだす。そして、皆が微笑み合い、手をとって、平和が訪れるのではないかという気もする。演奏者がそんなことを意図している訳ではないでしょう。実際にそんなこともあり得ない。だけれど、おもちゃの兵隊さんたちがドンパチやっているような可愛らしい音楽による戦争を聴いていると、戦争はこの音の世界の中だけにとどめておこうよと思う。

「戦争」以外のヴァージナル曲でも、日本の伝統音楽との共通点はあるのかもしれません。音の良く響く広い空間ではなく、日本家屋のように、狭くて、外界と遮断されておらず、音の通らないスペースで奏でられるのが相応しい音楽。宗教音楽を書き、王家ともつながりのあったバードが書いた世俗的な音楽が、自然の中で聖と俗がフラットに共存する和の空間の中でも、生き生きとしたいのちを得て、ゆたかに息づいている。和楽器とのコラボによる「戦争」の演奏で得た視点からは、そんな図式が、アルバム全体で見わたすことができます。とても素敵なビジョンだと思います。

思えば、ヨーロッパでは西洋の古楽とイスラム音楽をコラボさせるのが大流行しています。異文化が音楽の場で出会うことで生まれる新しさに注目が集まっているし、実際の歴史の中ではそれが起こって、かえってその土地独自の音楽文化を花開かせてきた。このアルバムのように、私たち日本人のルーツとなる音楽とバードのチェンバロ曲が出会うのも、そうした流れの一つだと考えれば、「雑音」で結ばれた当然の帰結だと言えます。

このアルバム、「戦争」に至るまでは、普通のバードのチェンバロ曲集です。ダウランドの「流れよ我が涙」を編曲した「涙のパヴァーヌ」を始め、「女王のアルマン(ド)」、「ウィロビー卿のご帰還」「ファンタジアBK62」などが収録されています。中村は、ヴァージナルに似た響きをもったチェンバロの持ち味を十全に生かし、生き生きとした表情を絶やさずに、丁寧な造形と、やわらかな運びを保って音楽を進めていきます。もし収録曲がこれだけだとしても、十分に素晴らしいアルバムだと言えます。

でも、やはりこの「戦争」が入ることで、このアルバムの魅力は二倍にも三倍にもなっていると言えます。センセーションを狙ったのでも、安易なコラボレーションでもなく、バードの音楽の本質って何だっけ?ということを考えさせてくれる。

私は、16,17世紀イギリスで生まれたバードの音楽に対して、「その時代の西洋音楽」の枠組みの中で語れるものを「本質」だと思ってきました。でも、もっと高い視点に立ってみると、その音楽の深層には、時代を超え、日本人、日本の音楽と共通するものがあるのではないかと、そんな気がしてきます。私は学者ではないので、これ以上深く考察する力もありませんが、音楽を聴いて安易に「本質を衝いた演奏」だなんて言うのも考えもの、気をつけようとは思いました。

ところで、このアルバムのジャケットは、屋外の椅子に腰掛け、赤ちゃんに哺乳瓶で授乳している中村のモノクロ写真です。デビュー盤のデュフリ曲集のジャケットは清楚なお嬢さんというふうでしたが、随分と雰囲気は変わるものだなあと思います。アルバムのタイトルやコンセプトと一体どういう関係があるのか分かりませんが、ほっこりと微笑んでしまう。「ジャパン」を、働きながら子供を育てる人たちにとっても、のびのびと暮らしやすい場所であるようにしたいなと、心から思います。

繰り返します。

実に、実に面白いディスクでした。これ、ナマで聴いてみたい、それが難しければ、せめて動画で見たいです。





どうですか?
こうやって、私のCDに時間を割いて、分析していただいているのが何より嬉しかったです。 ほかにも、色々なディスクやコンサートの感想を書いていらっしゃいます。 http://nailsweet.jugem.jp/

ほかにも、今回は、久しぶりに昔のアンケートなども探して、ご意見もしっかり読ませてもらっているのですが、まさにその通り!なご意見ばかりで、身が引き締まるばかりです。

ちょっとブレイク

  • 2018.08.03 Friday
  • 22:34
まだまだ時間がある!と思っていたコンサートも、ふと気がつけば一か月前になっていました!
今までも子育てついでにちょこちょこ準備をしていたつもりではあったのですが、全然、進まず…、結局、今頃になって夜な夜なお手紙を書いたりしております…。
というわけで、ちょっとブレイクにブログタイムです。

チラシにはざっくりとしたプログラムしか書いておりませんが、前半はバードのチェンバロ曲、そして、前半の最後に一噌さんとのバッハ(オブリガート チェンバロつきで有名なロ短調のフルートソナタです。)をハ短調で、一噌さんにリコーダーを吹いていただきます。
一噌さんのリコーダー、なかなか面白いですよ!
そして、望月さんに登場していただいて、このコンサート限りのバードの「パヴァーヌ〜能楽の世界」へ誘います。
後半は、バードのしっとりとしたチェンバロ曲から始まり、最後はやっぱり「戦い」で締めたいと思います。こちらも、今回限りのアレンジになると思います!
(一応、今はこんなプログラム構成ですが、もしかしたらまだまだ変更するかも…しれません。) あとは、とにかく会場がとても素敵な所なので、その雰囲気も皆さまに味わっていただけたら、と思っています。


さて、そろそろお手紙書きに戻りますが、その前にホッとする写真






写真を撮るのが好きな息子が、たまに勝手に私のスマホで撮っているのですが、ほとんどは青虫とかセミの抜け殻とか縄文土器とか…私のいらないものばかりで、いつもギョッとしています。
でも、この写真はホッとできて気に入ったので、こちらにも載せます!
そんな息子は、現在、合宿中。いつも息子のこととなるとついイライラしてしまうのに、楽しんでるのかなぁ、と覗き見してみたいような妙にそわそわした気持ちになってしまいます。

猛暑

  • 2018.07.22 Sunday
  • 11:25
連日、ものすごい猛暑ですね。
最近は、西日本豪雨の被害の痛ましさに心が痛みながら、猛暑についていけてない私です。
7月をちょっと振り返ると、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の田中孝子さんと高級老人施設で演奏したり、大学の定期公演のお手伝いをしたりしてました。

さて、昨日は、一噌さんと9月2日のためのかるい音出しをしました。
ざっくりとしていたプログラムも構成がまとまって、一気にコンサートの流れも見えてきました。
今回は、CDもチラシもバードと能というインパクトが強いので、その辺りもしっかり出していくことになりました。ですので、収録曲以外のコンサートのためだけの新曲もございますので、その辺りもご期待いただければと思います。
皆々様のお越しをお待ちしております。

CD発売記念コンサート

  • 2018.06.22 Friday
  • 23:41
先程、CD発売記念コンサートの詳細をアップしました。
今回のこだわりは、やはり能楽堂でのコンサートです。
普通のコンサート会場とは違った能楽堂の雰囲気の中で、バードのチェンバロ曲や一噌さん、望月さんとのアレンジに富んだ曲(CDとはまた違ったアレンジになると思います。)を楽しんでいただきたいな、と思っております。
チケットは、カンフェティチケットセンターでも販売しておりますし、こちらからお問い合わせいただいても大丈夫です。
お席もた〜くさんあるので、皆さま、お友達などお誘い合わせのうえ、いらしていただけたら嬉しいです。
日程も日曜日の午後14時ですし、表参道でランチ?ショッピング?がてら、是非是非お待ちしております。 お席ですが、お座敷といっても、段差になっておりますので椅子座りで聴いていただけますので、どなたでも大丈夫かと思います。ただ、ベンチ席のほうが背もたれがあるので、より座りやすいようです。



最近の娘ちゃん。傘がお気に入りすぎて、この日は日傘になってます。


この後ろ姿だけみれば、すーごくかわいいのですが、実際は怪獣ちゃんです。
結局、夜が一番落ち着くので、最近はもっぱら夜更かしになってしまいます。。

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